
仕事をやめようと決心する多くの場合、一つではなく、複数の理由があると思います。私が公務員を辞めた理由は以下7つでした。
仕事の内容が合わないと感じた
一口に公務員と言っても仕事内容は様々です。私の仕事は、所管する法律に則っているか、会社を監査し、行政指導することが主でした。
行政指導、めっちゃ嫌でした…。会社の担当者からは嫌な顔をされますし、新人の頃なんかはしっかりと調査ができておらず、うまく上司への報告書を作れなかった時、再度調査に行くことも何度かありました。その時は会社の担当者の顔見れなかったですね笑
法律を遵守させることは社会的にはとても意義のあることです。しかし、目の前の指導相手から嫌がられ、嫌味を言われるのは、とても辛かったです。
気の弱い自分には、この業務内容は合っていないと感じたことが理由の一つです。
理不尽に怒鳴られることが辛い
国家・地方問わず公務員をしている人ならわかると思いますが、仕事では来庁者からめちゃくちゃ理不尽に怒鳴られます。
公務員を目の敵にしている人が一定数いるので、特に大した理由もなく怒鳴られます。
その時どんなに理不尽でも反論することはできません(こういう人に反論すると余計に長くなって仕事を圧迫してしまうため)。公務員は国民のサンドバッグなのです。
書類の作成能力が低かった
事務系の公務員は、書類をいかに早く正確に作るかが仕事をこなす上でとても重要です。
私は書類の作成が苦手だったので、仕事の効率はあまりよくありませんでした。
他の人より誤字脱字も多いし、時間もかかります。
さらに特に私の職場では、書き方にこだわりがある上司が多く、こっちの言い回しの方がいいなどと、修正されることもよくあり、その修正にも時間が取られていました。
それも上司ごとに好みが違うので、異動するたび、上司に気に入られる書類の書き方にする必要がありましたが、上司の好みに合わせた書き方で書類を作るのは本当に苦手でした。
特に最後の上司は今までにないくらいこだわりの強い人で、同じ内容の書類を何度も言い回しを変えさせられ、強くストレスを感じました。(上司も良かれと思って指導してくれているのですが)
公務員としての職務遂行能力に自信がなかったのが一つの理由です。
上司・先輩がみんな辛そうだった
私の職場では、課長クラス(40歳くらい)は現場での仕事に加えて管理業務も行うため、急に残業が増えます。(管理職のため残業代は出ません)
そのため、仕事効率の良い一部の人を除いて、課長クラスは1日3時間くらい残業しています。それでも仕事が回らないので土日に出勤している人も珍しくありません(管理職のため残業代はもちろん…)。
周りの上司や先輩を見て、自分が幸せに仕事をしている未来が想像できなかったのも、大きな理由の一つです。
私にはなんとなく自分に似ているというか、自分ってきっとこんなふうになるんだろうなって思って未来を重ねてしまうKさんという先輩がいました。そのKさんが最近課長クラスになってとても苦労している姿を見ていると、自分も担うことになるであろう業務負担に耐えられるのだろうか、と心配になりました。
また、私の職場では人員削減が進んでいて、これから一人当たりの仕事量は減るどころか、むしろ増えていくことが見込まれていました。
そんな中で私のように効率が悪い職員は今以上に居づらさや業務の負担を感じることになると思いました。
ストレスで適応障害になってしまった
私は昨年、仕事のストレスで適応障害になってしまいました。
昨年は、何度修正しても上司の好みの書類が作れず、上司が私の代わりに書類を作る、ということが恒常的にありました。これにすごく落ち込み、どんどん書類を作るのが怖くなってしまったんです。
その上司は決して私のことをいじめてやろうとして書類を作り直したりしていたわけではありません。私の仕事を手伝おうと、より良くしようとしてくれていたことは理解していました。それでも、私の作る書類をいくつもその上司が作り直しているのを見ると、とても悲しくなり、結局仕事に行くことができなくなってしまいました。
病気になったのは辞めた大きな理由でした。
「仕事できない人枠」として生きることもできたが…
公務員はどれだけ仕事ができなくても、クビになることはありません。
そのため、どこの役所にも仕事ができない人が就く、業務負担の少ないポジションがあります。精神を病んでしまった人や、仕事が壊滅的にできないと上に判断されている人などが就くポジションです。
私の役所では、メンタルを一度病んだ人は仕事ができる人でも、良くない目で見られます。よく、「仕事を放り出して休んだ」など陰口を叩かれているのを見たりもします。
少し、古い価値観だとは思いますが、そのように考える人は私の職場には多いです。
これは職場の風土にもよると思いますが、私の職場では仕事ができない人、メンタルを一度病んでしまった人は、陰口の格好の的でした。見下すような態度の人も多いです。そのような周りの人たちの態度を見ていると、「仕事できない人枠」として生きるのも余程周りに鈍感にならない限り大変だと思います。
貯金がそれなりにあったこと
私は、6〜7年前からFIREを夢見て積立投資を続けており、お金がかかる趣味もなかったため、一定の貯金がありました。公務員宿舎に住んでいて家賃も安かったですし、贅沢もしていなかったので、毎月10万円と年2回のボーナスは全額貯蓄できていました。
また、妻と二人で暮らしており、月々11万円ずつ出し合って、現在月22万円で生活できています。そのため、収入はそれほど多く必要なわけではないのです。このことも退職を後押しする理由の一つでした。
妻がいること、でも子供はいないこと
当時、既に私は結婚しており、妻と暮らしていました。
32歳でスキルもない私が公務員を辞めたら、公務員時代より年収が高かったり、社会的地位のある仕事には就けない可能性が高いです。
私はモテる方ではありませんし、公務員ではなくなった時点で、結婚どころかもしかしたら彼女を作ることすら難しいかもしれません。
もし、適応障害になったときに結婚していなかったら…結婚は諦めていたかもしれませんね。現実的には、30代になって出会いもあまりありませんし、仕事をやめるか、結婚を諦めるかの選択になっていたと思います。
私は幸運にも縁に恵まれて結婚しており、公務員を辞めることについて妻からも理解をしてもらっていたことは退職の大きな後押しになりました。
また、子供がいなかったので、あまり生活にお金が必要ない、という理由もあります。子供がいたら生活のことを考えるので、さすがに辞められなかったでしょうね。
まとめ
公務員を辞めた理由は以上になります。
私の人生にとって、実際にやめてよかったかどうかについては、今の時点ではわかりません。
これから答えが出ると思います。
もし今公務員を退職しようか、悩んでこのページを見ている人がいるなら、自分の置かれた状況を書き出すなどして、よく考えてみてはどうでしょうか。なぜ辞めたいのか、なぜ辞めないのか。
私はこれを実際にやってみて、辞めない理由には大した理由がないと気付けました。一番大きな理由は、勇気が出なかったことだと思う。
次回は私が適応障害になるまで仕事をやめる決心がつかなかった理由について書きます。
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